モバイル充電は新たな領域へ! 超小型ライターガス発電機「Kraftwerk」

米クラウドファウンティングサイト「Kickstarter【キックスターター)」にて魅了的なモバイル充電器が大きな注目を集めています。従来、モバイル充電器といえは事前の充電が必要で、電池残量を使い切ってしまえばただの箱と化してしまいます。ただでさえ現代の最先端モバイルツールであるスマホやタブレットは電池が切れるペースが早いのに、モバイル充電器にも気をくばらなきゃならないなんて、まったく高度情報化社会も気が滅入ります。

そんな中、画期的なモバイル充電器がこのたびKickstarterから発信され、出資者を募っています。最終目標額は500万ドル(日本円にして約6000万円)であり、1/8現在において21万ドルを獲得。目標額の42パーセントに達しています。


超小型発電機「Kraftwerk」登場

発電機はついに持ち運べる時代となったことを象徴する大きさです。従来、発電機といえば少なくとも10Kgの重量があり、始動にはヒモを勢いよく引っ張る必要がありました。更に燃料は引火性の高く、持ち運びに難のあるガソリンを燃料としています。近頃ではカセットガスを燃料に使用したホンダ「エネポ」も実用化されていますが、海外に行くときに持ち運ばれる両行バック程の大きさがあるため、お手軽にバックにいれて…などのシチュエーションには不向きです。

一方モバイルバッテリーの世界では、大型化そして大容量化が進んでいます。これはノートパソコン用の円形リチウムイオン電池である18650サイズと呼ばれる電池セルの高容量化が進み、同サイズのリチウムイオン電池でもより多くの電力を蓄えることができるようになっているためです。しかし、電池容量が増すということはそれだけ多くの充電時間を必要とするようになるということを意味し、以前にも増して充電に配慮をする必要があります。また、バッテリーなので事前の充電が不可欠です。バッテリーが切れてしまったら何もできません。

このような背景の中、生まれたのがこの「Kraftwerk」です。

Kraftwerkは燃料電池の研究・開発が盛んなドイツで設計されています。本製品は最新の燃料技術を活用し、ライター用ガスを本製品にほんの少し装填するだけで、スマートフォンを11台充電する電力に匹敵する電力を発電します。


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Kraftwerkのメリット・リチウムイオン電池との比較

Kraftwerkのメリットとリチウムイオン電池との比較

Kraftwerkのメリット

  • 事前の充電が一切不要。安価でどこでも入手可能なライターガスを補充するだけで即使用可能
  • 汎用性の高いUSB出力に対応。スマホ、タブレット、デジカメなどを直接充電できる
  • 超小型 (本体160g、燃料満載時200g) モバイルバッテリーとも対抗できる重量
  • 動作音はほとんどしない
  • 幅広い環境で動作 (-15度~+55度)
  • スイッチ無し

Kraftwerkのデメリット

  • 安全性に関する認証が確認できない
  • 具体的な動作スキームの説明がなされていない
  • パテントNoが公開されていない
  • 動作時間と必要燃料の関係が明確ではない
  • 販売後の戦略が明確ではない
  • 販売ターゲットが明確ではない

キックスターターの趣旨は「開発者に出資すること」であり、出資額に応じた特典として製品を購入出来るのが原則です。そのため戦略はパテント、販売に係る各種規制をどのようにクリアするのかについては明確である必要は無い、と言われればそのとおりです。もっとも、一般に行うのであれば上記項目は出資者に開示する必要はあると思います。また、開発の段階で不足点は補われていくものです。


安全性に関する項目は、今後の試作品テストによるところがあります。何より高圧ガスを燃料するのですから、安全性は最優先していただきたいと思います。更に具体的な動作方法を説明したペーパーも、今後公開が希望されるところです。Kickstarterの説明ページには、多くの特許を取得していますと書かれているので、ぜひパテントNoを明示していただき、より信頼感の持てる開発者を応援できる体制の確立を願います。

リチウムイオン電池との比較

  • Kraftwerkの圧倒的な電源供給力
  • リチウムイオンは500回程度の使用で初期容量の80%程度まで性能が低下するが、燃料電池は7年~10年と長期に使用が可能
  • 事前の充電作業が不要

発売は2015年12月頃

Kickstarterの紹介によれば、一般的な99ドル出資者が商品を手にできる時期を2015年12月としています。今から待ちきれないですね。早速ですが99ドルの出資を試しにしてみました。進捗があり次第、こちらのページで日本語にて追ってレポートしてみたいと思います。

構造と動作原理について

2015年1月10日、キックスターターのページにて構造と動作原理に関する説明が追加されました。以下日本語に翻訳しご紹介いたします。

構造の解説

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■Kickstarterページより引用(日本語注釈は筆者追加)

USBプラグ

USBプラグはフルサイズのUSBポートが接続可能です。ちょうどPCなどのUSBポートと同一のサイズであり、汎用性が高いコネクタ仕様となっているようです。ケーブルが付属になるのか等は不明です。


ガスタンク

ライターガス缶から直接内蔵のガスタンクへ注入します。容量等は不明ですが、写真からみると大部分をこのガスタンクが占めているようですので、大容量であることが期待できます。

ガス吸入口

ライターガス缶を直接接続し、注入する口です。ちなみにライターガス缶とカセットガスは噴射口の径が異なり、カセットガス缶使用する場合は変換アダプタが必要です。カセットガス缶によっても微妙にガスの配合が異なるため、無難にライターガスを使った方がよさそうです。ちなみにライターガス缶も価格のよって配合のガスが異なり、特に安いライターガスは寒冷地での特性が下がるようです。

空気吸入口

空気吸入口によって、内部と空気の入れ替えをします。ということは完全な密閉空間では空気の取り込みが出来ず、動作に支障をきたす可能性がありそうです。

ガス調整装置

ガスの供給量を調整する部品です。


マイクロ金属燃料管

今回、ガスから直接電気を発生させるメインの部品です。表面に微細なコーティングがされていると説明されています。ちなみに1日に20,000個製造され、4,000台のKraftwerkに組み込みされるそうです。つまり1つのkraftwerkには5つのマイクロ金属燃料管が必要ということでしょうか?それとも歩留りが悪く、4つ程度はおしゃかになる製品ということなのか詳細はわかりません。

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絶縁体

電気的に絶縁されているのか、他の部分と物理的に分かれているという意味なのかわかりませんが、隔離されている部分とのこと。

電気部品・制御部品

名前の通りです。


以上、kickstarter掲載図からわかった部分です。


公式HPにあがった質問と回答

Kickstarterのcraftwerkのページには、本プロダクトに対し多くの質問が寄せられており。回答はHPに掲載される形で広く公開されています。筆者も個別にcraftwerkを開発したメーカー「eZelleron」へ質問をお送りしたところ、質問への感謝のメッセージと共に、回答はHPへ掲載する旨をメッセージを頂きました。

 Kraftwerkは完全に商用電力線から独立した製品となるのでしょうか?

その通りです。この製品を使う限り今後電力線に頼る必要はなくなるでしょう

どのようにして製品のスイッチを入り切りすることができますか?

スイッチはありません。USBプラグを差し込んだ瞬間、動作を開始します。

kraftwerkは外で使うことが出来ますか?

もちろんです。アウトドアユースを前提とした設計がされています。

kraftwerkは歩きながら、ハイキング中、そして航行中、もしくは日常バックに入れながらといったシチュエーションでは使用できますか?

そのとおりです。どこでも使用できます。動作できない環境では自動的にスイッチがオフとなる設計です。

craftwerkは立たせた状態、寝かせた状態で動きますか?

設計では立たせた状態での動作を想定しています。多くの場合、立たせた状態での使用となると想定されますので、そのような設計にしました。

どのようなデバイスの充電に対応していますか?

どのようなUSBポートを備えた電気製品でも充電が可能です。

デバイスの充電にどれぐらいの時間がかかりますか?

それは接続された機器により変わります。しかし、通常のUSB充電機器に匹敵する時間で充電が可能です。


kraftwerkではどのようなガスが使用可能ですか?

ライター用ガスが使用可能です。更にキャンピングガスやブタンガスが使用可能です。これらのカートリッジは世界中で入手可能であり、価格も安く入手可能です。カートリッジは独自規格ではありません。多くの使用可能なカートリッジには多くのサプライヤーがあり、汎用性が高いカートリッジです。

craftwerkを飛行機機内に持ち込むことは可能ですか?

持ち込み可能です。craftwerkは国際的な基準に沿って設計され、テストされています。ガスを満タンにしておいても、そしてカラにしておいてもどちらの状態でも機内への持ち込みが可能です。これはcraftwerkの大きなメリットの一つです。

craftwerk


※キックスターターの出資プロジェクトは自己の責任において行ってください。また本内容は「Kraftwerk」公式HPより配布されているプレスキットを元に作成しております。英訳については筆者の解釈に基づき作成しておりますことご了承ください。

リンク先:http://hellokraftwerk.com/




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