【ガジェットレビュー】アマチュア無線リフレクターOPENSPOTの機能と特徴


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【ガジェットレビュー】アマチュア無線リフレクターOPENSPOT

アマチュア無線のリフレクター(インターネット上の仮想レピーター)を使用するためのネットワーク機器として現在大きな人気を集めている機器のひとつがOPENSPOTと呼ばれるリフレクター装置です。

手のひらサイズのOPENSPOTはこれまでのリフレクター装置と異なり、ウェブベースの操作インターフェースと迅速な更新ファームウェアの公開と、オープンなコミュニティーによる機能改善が行われるという大きな特徴を備えたリフレクタに仕上がっています。(日本国内での使用に関して別途申請等が必要かどうかについては、所管官庁等へご確認ください)

リフレクター装置があれば、インターネットがつながる環境があればどこからでも相互にリフレクタに接続した無線局と交信することができる便利なシステムです。

OPENSPOTの特徴

競合するリフレクター装置としてDV4MINI、DVMEGAがあります。これらの機器と比較し紹介していきたいと思います。

メリット1 ウェブベースのわかりやすい操作性

OPENSPOTはウェブベースのわかりやすい操作性で直感的な操作が可能です。ルームやモード(FCS、DMR)の切り替えもボタン一つで切り替えが可能。面倒なコマンドによる操作やVNCへのログインも不要です。

■ウェブベースで簡単な操作が可能。リフレクターの繰り替えもボタンひとつで可能です。

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メリット2 機器単体で動作し、PCやラズベリーパイが不要

OPENSPOTは機器単体でリフレクタとして動作するため、DV4miniやDVMEGAと異なり、ノートPCやラズベリーパイとの接続が不要です。そのためPCとの相性やOSのバージョンを気にする必要がなく、システム全体の消費電力も抑えることも可能です。そしてPCが不要なため移動運用時もコンパクトなシステムとなります。

■DV4miniの接続例:ドングル単体のほか、リフレクター動作のために別途コンピュータが必要

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■OPENSPOTの接続例:OPENSPOTにUSB電源とネットワークケーブル(LANケーブル)を接続すれば動作可能。動作にコンピュータは必要ありません

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メリット3 迅速なアップデートで新たなルームにも瞬時に対応

OPENSPOTはエンジニアが絶えず利用者の声に耳を傾け、機能改善のためのアップデートに力を入れています。公式サイトにあるフォーラムで改善要望をユーザーから集めています。実際に多くのユーザーの声にこたえる形でバージョンアップが行われており、月に1回~2回程度の高頻度で改善が実施されています。

■公式サイトのフォーラム(改善要望やトラブル解決のためのスレッド)

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■バージョンアップファームフェア

公式サイトでは頻繁にファームウェアを配布している。常に最新の環境を得ることが可能。

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メリット4 クロスモード機能でDMRトランシーバーを介してC4FMルームにオンエアすることができる。

Ebayや409shopで安価に売られているDMRトランシーバーをC4FMリフレクター(ルーム)で使用することができます。DMRトランシーバーは6000円~15000円程度で入手することができる安価なデジタル無線機器です。これらの機器を使い、お金をかけずにオンエアすることも可能です。(DMRトランシーバーは海外規格の無線機のため、ダミーロードなどを使う必要があります)

■安価なDMRトランシーバーでC4FMリフレクターにオンエアが可能

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要改善・改良が期待される点(もうちょっとな点)

ログインページ表示の時間

無線LAN経由でログイン画面を表示すると、平均して3秒~5秒程度で表示されますが、稀に(10回に1回程度)は表示まで20秒程度かかる場合があります。一度表示されれば後の操作はスムーズに操作することができますので問題ないのですが、ログイン画面の表示に時間がかかるがちょっと改善が必要かもしれません。

無線LANが非搭載

残念なことにOPENSPOTには無線LANが搭載されておらず、有線LANポートにLANケーブルを接続し、インターネットにつながったルーターに接続する必要があります。家やシャック内で使用する分には問題ないのですが、モバイルルーターにそのまま接続することができないので、外で使うためには一工夫する必要があります。

モバイルルーターに接続するためには、OPRNSPOTのLANポートの先に、ホテルルーターと呼ばれるルーターを接続し、有線LANを無線LANに変換する機器が必要です。このような機器の接続が必要なためひと手間かかります。OPENSPOTフォーラムを見ると、次期製品では無線LANの搭載を検討しているようです。

モバイルでの使用

OPENSPOTはDCS、XRF、C4FM、DMRルームに接続することができます。現在のところもっとも安定して使用できるのはC4FMルームです。車や自転車での移動時でも途切れることが少なく、モバイルインターネットの低速回線でも安定した通信が可能です。

OPENSPOTとモバイルルーター、ネットワーク機器、モバイルバッテリーを合わせてケースに入れ、持ち歩くことができます。

■ケースに入れて持ち歩くことが可能

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■小型軽量な機器で持ち運びも容易

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■129gの軽量なリフレクター(アンテナ付属)

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機器の購入方法

購入はSharkRF OPENSPOTの公式HPから注文することができます。

2016年11月現在、182ユーロ(日本円にして2万円前半)となります。バックオーダー制となっており、注文から到着まで1か月程度かかる場合があります。

■OPENSPOT 公式HP(購入にはPAYPALのアカウントが必要)

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■日本向けの発送には別途1000円~2000円程度の送料が必要

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機器の到着

注文から約1か月、機器が到着しました。

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段ボール箱に梱包され、DHL経由で到着しました。しっかりと梱包されています。

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スポンジで覆われ、しっかりと機器が梱包されている様子

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(付属品一式)

・リフレクター機器本体
・USBケーブル
・LANケーブル
・AC-USB充電器

なお、取扱い説明書は添付しておらず、公式サイトの説明ページを参照して設定を行います。

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OPENSPOTは手のひらサイズの大きさです

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付属品一式とリフレクター本体

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SMA形式のアンテナも付属しています。SMA形式のため、外部アンテナの接続も容易です。大型GPアンテナも接続できます。

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接続ポートはLANポート、そしてMicroUSBポートのみのシンプルな構成となっています。

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モバイル環境での利用には別途有線LANを無線LANへ変換する装置(ネットワーク機器)が必要です。

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機器の設定

続いて機器の設定を行い、無線機から送信された電波をインターネット上のリフレクタに送出、受信する設定を行います。設定にはスマホ、タブレット、パソコンのいづれかが必要です。

本体の初期設定

本体の初期設定にあたり、以下のIDや機器が必要です。

■DMR-Marc ID

■ノートPC、タブレット、スマホ

OPENSPOTとルーターを接続し、ノートPCやタブレットと同一のネットワークに接続します。

OPENSPOTとコンピュータの接続

コンピュータ(タブレット)のブラウザに、OPENSPOTのIPアドレスを入力するか、http://openspot.localと入力します。

URLでアクセスできない場合、ルーターの管理画面からOPENSPOTに付与されたIPアドレスを確認し、ブラウザのURLに入力します。(後ほどOPENSPOTのIPアドレスを固定することをお勧めします)

■ログイン画面

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初期パスワードは「openspot」に設定されています。

■Connectorsの設定

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Connectors

接続したいリフレクターシステムを選択します。D-star系ならDCS、REF、そしてC4FM系ならFCSを選択します。そして周波数を選択します。周波数は受信周波数と送信周波数をそれぞれ別に選択することが可能です。(ちなみにOPENSPOTはシンプレックスに動作するので受信/送信週数を分ける必要はありません)

■Server、コールサインの設定

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Serverの項目は接続先のモジュールを選択します。Callsignの項目には自身のコールサインももしくはリフレクタ装置を保有する社団局のコールサインを入力し、SAVEを選択します。接続リフレクタによってはさらにCCS7のIDを入力する必要がある場合があります。

最後にSwitch to selectedをクリックします。

■モデム設定

続いて「Modem」項目です。

(Modem settings)

先ほどConnectorsで選択したリフレクタ(DCS/XRF/FCS etc)にあったmodeを選択します。DCSやXEFならD-star、FCSならFCSを選択します。ただし、先ほどのConnectorでFCSリフレクタを選択した場合、例外的にこのModem settingsでDMRを選択することができます。この設定を行うと、DMRトランシーバーでFCSリフレクタに出ることができます。

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■適切なモデムをクリックします

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最後にsaveをクリックし、設定が完了となります。

接続の状況や送受信状況などはstatusのページで確認することができます。

■status状況確認ページ

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connector connecting:接続試行中

stanby:受信待機中

in call:手持ちのリフレクタから送信中

その他の設定

■OPENSPOTのIPアドレス固定

初期設定ではDHCPによる自動割り当ての設定がされており、接続のたびに本体IPアドレスが変化します。IPアドレスを固定する設定項目は下記の通りです。

Settings→Network settings

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IP cofiguration mode 「static」

static IP 設定したいIPアドレスを入力

gateway、DNS1はそれぞれルーター固有の情報を設定

■トラフィックモニター

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以上で設定は完了です。

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