八重洲のC4FM無線機を使って仮想レピーター(リフレクター)でみんなでQSOしませんか?

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八重洲のC4FM無線機を使って仮想レピーター(リフレクタ)でみんなでQSOしませんか?

当ページではエラー耐性にすぐれた特性を持つ八重洲のC4FM無線機と、交信範囲を広げるリフレクターを組み合わせて使うことで、移動時でも最適なQSO環境を実現する方法を模索します。(導入・設定は各位の判断と責任により行ってください)

リフレクターを使った交信

リフレクターを使った交信をご存知ですか?

リフレクターとはインターネット上のサーバーの設置された仮想的なレピーターのことで、インターネットを使ってみんなでこのレピーターにアクセスします。リフレクターは音声をアクセスした各局に中継します。モバイルインターネット(携帯回線)を使用すれば、どこにいてもリフレクターの参加者は音声を送受信することができる特徴があります。

もちろん、リフレクターに参加するためには無線機と、無線機から発信された電波をインターネット回線に流す装置が必要です。このような装置をドングルと呼んでいます。

無線機から発信された電波はドングルによって受信され、ドングルは受信した電波をインターネット回線を経由してリフレクターに届けます。一方で他局の音声を受信するときはリフレクターから各局のドングルに信号がインターネット経由で送信され、ドングルがインターネットの信号(パケット)から電波へ変換します。

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(クリックすると最大化します)

リフレクターのメリット

リフレクターはユーザーに大きなメリットをもたらします。リフレクターはインターネットに繋がる環境にあればリフレクターに参加しているすべての局の交信をワッチすることができますし、必要に応じて応答や交信を行うことが可能です。シンプレックスの交信では双方が直接電波の届く範囲にいることが必要です。また近年普及してきているD-starレピーターでも、双方の局がレピーターが利用できるエリアにいることが求められます。

レピーターが普及しているといっても、まだまだ不感地帯は多く存在し、日本全土をくまなくカバーすることは現実的ではありません。また、レピーターがカバーする範囲は狭く、まちまちです。自動車で移動すると実感することがですが、30分も走行すれば継続して相手局と交信するためにレピーターの切り替えが必要になります。

一方でリフレクターを使用した場合、携帯電話ネットワーク(ドコモのLTEや3G、AU、ソフトバンクの携帯回線)が使用できます。特にドコモの携帯ネットワークは日本のほぼ全域をくまなくカバーし、離島や山奥、地下、海上に至るまでネットワークに接続できるため、実質的に無線機の通信可能範囲は日本全国ということになります。

さらに携帯ネットワークでは自動的に基地局の切り替えが行われる(ハンドオーバー)ため、一度ドングルの設定を完了すれば、ユーザーはエリアや場所を意識することなく無線運用を行うことが可能です。PTTを押すだけで、一斉に内容を伝達できます。

HF運用の醍醐味を楽しみつつ、リフレクタによる確実な通信で各局と情報交換を行うスタイルもまたアマチュア無線の新たな楽しみといえるのではないでしょうか?

リフレクターを使った場合のメリットについて資料を作成しましたので詳細は以下の図をクリックしてください(D-star無線機を使用したリフレクタについて書いていますが、ほかの無線機を使用した場合もほぼ同等のメリットを得ることができます)

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(コラム)インターネット経由の交信は真のアマチュア無線じゃない?

リフレクターのようにインターネット経由の交信は真のアマチュア無線ではない。このような意見を時折聞くことがあります。真のアマチュア無線とはHF帯で、ノイズギリギリの信号を追いかけるものであるからして、インターネット経由で手軽に出れるリフレクター(含むレピーター)は真のアマチュア無線ではない。

アマチュア無線の楽しみ方は人それぞれだと思いますし、もう楽しんでしまったもの勝ちなんじゃないかと…個人的にはノイズすれすれの信号を追うのもアマチュア無線だし、リフレクターで確実に内容を伝達するのもアマチュア無線です。リフレクター経由の交信もネットワークの設定や携帯回線の知識が必要です。リフレクターを使っていると「このエリアは800MHz LTEが入るから建物の奥でも受信できるかも」とか「ここの携帯基地局はエントランス構成だから、pingの値が悪いかも、もしかしたら交信に遅延が出るかもしれない」と考えてしまいます。リフレクターを始めたことで、アマチュア無線だけでなく、携帯回線にも興味と感心が持てるようになってきたことも事実です。現代の無線技術の最先端を行くのはHFでもモースルでもなく、間もなく5Gが実現されるであろうモバイルネットワークの世界であり、複数の周波数を束ねて使用するキャリアアグリゲーションなどの概念はアマチュア無線をやっているだけではおそらく知ることはなかった知識かもしれません。知識の習得という点では進歩的なアマチュア無線という目標を実現させてくれるものだと思います。

リフレクターの組み合わせ

2016年10月現在、ユーザーが選択可能な無線機とリフレクターシステムの組み合わせは以下の通りです。(原則としてそれぞれのリフレクターに互換性はなく、相互通信や相互アクセスは出来ません。XRLリフレクターはFCSリフレクターと交信することはできません)

DCSリフレクター、XRFリフレクター

→DSCリフレクター、XRLリフレクターはどちらもD-star無線機で接続が可能なリフレクターです。DCSは少し昔から存在しています。リフレクターにアクセスするために専用のドングル(中継器)が必要です。いくつもの日本用ルームが開設されており、中人数のユーザー規模を誇ります。有名なルームは「DCS021」「XRF081」「XRF085」などがあります。

FCSリフレクター

→FCSリフレクターは八重洲のC4FM無線機で接続が可能なリフレクターです。2014年頃に登場しました。現在のところ日本人ユーザーがいるルームはひとつしかありません。「FCS001 021」が唯一のルームです。

そのほかにもDMR PLUSやdPMRなど、さらに別の変調方式に対応した無線機が接続できるリフレクターもあります。(詳細は不明なため、説明を省略します)

リフレクターの違い

以下内容は一部主観的な意見となります。ご了承ください。

■DCS/XRFリフレクター

DCSリフレクターやXRFリフレクターはユーザーが多いメリットがある一方、D-starのエラー訂正の弱さに起因する現象なのか、頻繁に音声が切断されたり、ドングルからリフレクターへの音声伝送に失敗することが頻繁に起こります。通信回線の安定した場所でとまって送信すると問題ないのですが、移動中の送信や通信環境の不安定な場所、人ごみの中等で送信すると上記事象が発生するようです。ファームウェアの改善で徐々によくなっているようです。

■FCSリフレクター

FCSリフレクターはユーザー数が少ないのが現状です。しかしC4FMの強固なエラー訂正のおかげなのか、自動車での高速移動中の送信や新幹線デッキでの送受信も問題なく行うことができます。さらに人ごみやイベント会場などの電波環境が悪化しやすい環境でも音声の切断や伝送の失敗はほとんど見られないように思えます。格安SIMを用いた200Kbps程度の回線速度でも安定した通信ができました。現在ユーザー数が徐々に拡大しています。

このように両リフレクターにはそれぞれメリット、デメリットがあります。個人的には八重洲のC4FMリフレクターで利用できるFCSリフレクターがお勧めです。レピーターの運用シーンでよくある「音声のケロリ」「音声の反転」などといった現象が極めて少なく、より明瞭な音声で通信ができるメリットは大きいです。ぜひ安定した音声で交信できるFCSリフレクターを準備して、FCSリフレクターで声を出してみませんか?

FCSリフレクターにオンエアするために必要な機材

八重洲のC4FM無線機で安定して交信できるFCSリフレクターの構築について解説します。

(ドングルもパソコンも様々な機材が選択可能です。以下でご紹介するのは一例となります。)

全体構成

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左から順番に….

・FT1D(C4FMが送出可能な無線機であればFT2DやFTM400等も選択可能。無線機の出力場は最低出力で問題ありません。)

・ZMI MF855 モバイルルーター(200Kbps以上の速度が出るモバイルルーター、テザリング可能なスマートフォンが必要。山岳地や離島、へき地で運用する可能性がある場合はドコモの800MHz LTE/3Gが使用可能な機種がお勧めです。ドングルのインターネット接続に使用します。暗転した稼働のためには接続配下の機器に固定IPが付与できるタイプのルーターがおすすめです)

・DV4MINI(ドングル)(FT1Dの電波をリフレクタ用のパケットに変換するアダプタです。DV4MINIのほか、OPENSPOTというドングルもあります。どちらも日本で発売されておらず、海外から取り寄せる必要があります。取り寄せといっても問い合わせフォームから購入希望の旨と住所と伝えるとクレジットカード決済を行うためのPAYPALフォームが送られてきます。このフォームで支払いを確認を行います。1~2週間程度で到着します。)

(注文方法)

1 (ペイパルアカウントを持ってない人はここからスタート)
→購入にはペイパルアカウントを作成し。クレジットカードを登録する必要があります。

2 Wireless holdingsのウェブサイトの問い合わせフォームで「日本からですがDV4MINI 430MHzバージョンを購入したい」旨を伝える。送料等含めて15000円程度です。

・Windows PC(DV4MINIはWindows7、Windows8.1、Windows10もしくはラズベリーパイに接続してソフトをインストール、設定することで稼働します。Windowsのほうが安定して使用できるため、Windows PCを使用しています。持ち運ばないのであれば大きなデスクトップPCやノートPCでもOKです。今回は持ち歩きを考慮して省電力・小型なドスパラ DG-STK3スティックPCを準備しました。このスティックPCはDV4MINIをソフトを安定して動かすスペックがありますし、モバイルバッテリーで長時間稼働させることができるので持ち運びにぴったりです)

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ドスパラから1万円を切る価格で発売されています

・モバイルバッテリー(COOLREALL K6 15,600mA)(このモバイルバッテリーでスティックPC、ドングルの電力をまかなっています。大体15,000mA~20,000mAの容量があれば20時間~24時間程度システムを動かすことができます。アマゾンで3000円前後で購入可能です。もちろん手持ちのモバイルバッテリーでもOKです。USB給電ケーブルは2.5A以上の供給能力があるケーブルが必要です。ダイソーのケーブルでは供給能力不足により途中でシャットダウンとなりました)

大まかな設定

■モバイルルーター/スマホ

大まかな設定は次の通りです。モバイルルーターを使用する場合はあらかじめ設定を完了し、接続に必要なSSIDとパスワードを確認しメモします。スマホのテザリングを使用する場合、スマホのテザリングを有効にします。(キャリアのスマホ(中古スマホ)はテザリングに制限がかかっていたり、別料金が必要な場合があります。SIMフリーの白ロムルーターがお勧めです。)

■FT1D等の無線機

430MHz帯でデジタルモードで使用できそうな周波数を任意で選択し、メモします。この時無線機はDNモード(トーンやDUPは設定不要)にします。例:438.890MHz

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■Windows PC

Windows PCのファイアウォールを無効にします。そしてこちらのページを参考にVisual C++ 2013再配布可能パッケージ(x86)をインストールします。Windows10ではVisual C++ 2015再配布可能パッケージ(x86)も合わせて必要です。

機器の設定・登録

機器の設定を行う前に、事前にコールサインをリフレクタ管理システム(CC7)に登録する必要があります。登録にはメールアドレスと有効なコールサインが必要です。

CCS7 利用者IDの取得

すでにDCSやXRFリフレクターでCCS7のIDをお持ちの方は再度登録する必要はありません。

1 Dmr-Marcのウェブサイト登録フォームへアクセス

画面したの「User Registration」をクリック

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2 コールサインの入力

通常交信に使用している自身のコールサインを登録します。(例:JA1QRZ)

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3 コールサインの入力

必要項目を入力してRegisterをクリックします。以降のページではメールアドレスを確認するフォームは表示されないので、アドレスは十分確認の上送信ボタンをクリックしてください。

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しばらくすると7ケタのIDがメールで送られてきます。(例4400000)

コンピュータの設定

DV4MINIを使用するためには以下の機器、環境が必要です。

・インターネット接続が可能な環境があること(ブロードバンド推奨)

・USB2.0端子が利用できること

・Windows7以上のOSが搭載されていること

2 ソフトウェアのインストール(ライブラリ)

こちらのページを参考にVisual C++ 2013再配布可能パッケージ(x86)をインストールします。

3 ソフトウェアのインストール(DV4MINI)

こちらのページからソフトウェアをダウンロードします。ダウンロードしたソフトを起動すると以下の画面が展開します。画面の案内に従い、Nextをクリックしてインストールを完了されてください。インストール完了後、PCを再起動します。

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4 ソフトウェアの起動(DV4MINI)

■PCにDV4MINIを差し込み、デスクトップにあるアイコンをクリックします。

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■初期設定

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DMR/CCS7 ID:メールで送られてきた7ケタの番号を入力します。

Hotspot Callsign:AまたはBを選択します。

Location(City):Tokyo,Osakaなどと入力します。

Dvmini Settings:C4FMを選択します。

RX-QRG・TX-QRG:運用可能な周波数を選択します(438MHz系の実験バンドがお勧め)

FCS001 21を選択します。

Connectをクリックし、画面左下に「connected to FCS001-21 CCS7」と表示されれば成功です。あとは無線機のPTTスイッチを押せば音声を送信できます。なお、PTTを軽く押すと、画面の下が緑色に変わります。

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以上で設定は完了です。DV4MINIを認識しないなどのトラブルは以下のFAQをご覧ください。

よくある質問(FAQ)

その他よくある質問を以下にまとめます。

(機器、ネットワーク)

■ノートパソコンでも構築できますか?
→ノートパソコンでも構築可能です。ただしコンピュータの設定で省電力設定や、一定時間経過するとUSBポートへの電力供給をストップする機能が有効な場合は正常に動作しない場合があります。

■格安SIMをネットワーク回線として使用することはできますか?
→OCNモバイルONE、MINEO(マイネオ)で動作テスト行ったところ、特に音声に問題なく送受信ができました。低速時モード(200Kbps程度)でも問題なく動作します。しかし、200Kbpsを切ると音声が切断されたり伝送が不安定になる場合がありますので、安定した回線での運用をお勧めします。したがってキャリアの128kBbps制限時は不安定な動作になることが予想されます。

■ラズベリーパイでも運用可能ですか?
→当方の環境ではラズベリーパイ2、3での組み合わせでも動作しましたが、途中でDV4MINIが認識しなくなるなどの不具合がありました。Windows PCとの組み合わせの方が安定して使用できます。

■プロバイダから付与されるIPアドレスがプライベートIPアドレスですが利用可能ですか?
→プライベートIPアドレスで運用できるかは実験環境にないため不明です

■システムの構築にいくらぐらいかかりますか?
→DV4MINIのみを新たに購入する場合は15000円程度です。スティックPCなどPCも新たに準備が必要な場合は別途費用が掛かります。DVMINIのほかにも、OPEN SPOTなどの機器もあります。OPENSPOTであればドングル単体で使用できますのでPCを準備する必要はありません。

(OPENSPOT introduction)

■離島や地下などでも利用できますか?
→携帯ネットワークが利用できる場所(携帯電話が使用できる場所)であれば通常無線で直接交信が困難な場所での通信が可能です。通信キャリアによって携帯ネットワークが利用可能な場所は異なっていますので、各キャリアのHPでご確認ください。

ドコモエリアマップ:https://www.nttdocomo.co.jp/support/area/

auエリアマップ:http://www.au.kddi.com/mobile/area/map/

ソフトバンクエリアマップ:http://www.softbank.jp/mobile/network/area/map/

■スマホのテザリングでもドングルの通信回線として使用できますか?
→必要な速度が得られればテザリング回線も使用可能です。

■人ごみでも運用できますか?
→大阪道頓堀や東京秋葉原の人ごみの中で送受信テストを行いましたが、問題なく交信が可能でした。

■C4FM リフレクターを介した通信の遅延はどれぐらいですか?
→相手局からの送信(こちら側では受信)が終わり、1秒程度間隔を空けて送信すれば円滑な運用ができます。瞬時の送受信切り替えは音声パケットの円滑な伝達を阻害する可能性がありますので避けたほうが良いです。よって1秒程度のインターバルを意識することをお勧めします。

■DV4MINI自体にアンテナを装着する必要はありますか?
→DV4MINIにはSMAメス端子があり、アンテナを接続することができます。微弱ながら10mW程度の電波が送出されまるのでRF保護のため何かしらのアンテナを装着することをお勧めします。

■ドングルはどれぐらい熱を持ちますか?
→ドングル自体はほとんど熱を持ちませんが、持ち運びを行う場合は接続PC自体の放熱を考慮する必要があります。

■ドングルが認識しません。よく切断されます。
→本体のファームウェアをアップデートすることをお勧めします。ファームウェアは定期的に更新されており、アップデートで改善することがあります。

1 公式HPから最新のファームウェアをダウンロード

ver1

ver2

.fw2のファイルをデスクトップにダウンロードします。

ver3

DV4MINIのFlash Firmwareをクリックして先ほど保存したファイルを選択します。そしてアップデートを実施します。

2 DV4MINIソフトウェアのアップデート

公式HPから最新のソフトウェアをダウンロードします。

ver5

ver6

ver7

ダウンロードしたファイルをクリックしてインストールしてください。

■設定をリモートで変更するにはどうしたらよいですか?
→VNCサーバーの機能をドングル接続PCへインストールし、モバイルルーターに接続したスマホなどからリモート画面を操作する方法などがあります。

■ID-51 PLUS2のアクセスポイントモードとどのように異なりますか?
→ID-51 PLUS2のアクセルポイントモードは特定の唯一のレピーターにインターネット経由でアクセスする機能です。特定のレピーターでCQを出したり、特定局を指定して呼び出すことができます。CQを受けた他局が応答するためには、CQ局のコールサインを無線機の「TO」として設定する操作が必要となります。一方のC4FM リフレクターはC4FMリフレクターにしかアクセスできません。送信した音声は参加者全員に届きます。

 ID-51 PLUS2 APモードC4FMリフレクタ
CQ呼び出し単位レピーター単位に選択可能
(複数のレピーターの同時選択は不可)
FCS001 021参加局
(日本全国)
CQ局への応答TOでコールサインを設定設定不要
安定度音声の反転、欠落等が見られるなど不安定要素あり高速移動時なども安定した運用が可能
公開ノードの設置設置可能設置可能
レピーターとの連携連携可能連携不可
(C4FMレピーターの設置が許可されていないため)
費用ID-51 PLUS2の購入が必要
(4万円台)
ドングルの購入が必要
(1万円台~)

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