箱根噴火の影響を考える(最悪の場合、陸も空も通行不能に..)

箱根噴火の影響を考える(最悪の場合、陸も空も通行不能に..)

2015年5月初旬より、箱根では活発な火山活動が観測されています。気象庁の発表では、4月26日頃より火山性地震が多くみられるようになり、5月7日現在、その回数は1000回を突破しています。

箱根で最後に大規模な火山活動が観測されたのは約3000年前で、その後しばしば小規模噴火が記録されています。3000年前の噴火では、溶岩が横浜あたりまで押し寄せたそうです。

噴火が懸念される山として富士山が有名ですが、静岡に所在し、東京や横浜まで距離がある富士山とは異なり、この箱根は首都圏まで非常に近く、横浜は箱根の100キロ圏内に位置しています。

仮に箱根が噴火した場合、平塚では40cm~1m程度の火山灰が、そして横浜では30cm程度の火山灰が積もることが予想されています。小田原は言うまでもなく、火山灰で深く埋まることでしょう。これが富士山の場合、横浜や東京に火山灰が堆積しても、数cmとなりますのでいかに距離が影響を与えているかがわかります。

一説には箱根の噴火は富士山の十数倍ものエネルギーがあると言われており、首都圏にも近いことから、噴火した場合、日本で最も影響が大きい火山であると言えます。では、仮に噴火した場合、人々の生活や交通にどのような影響を与えるのでしょうか?ちょっと考えてみました。

陸上交通機関への影響

東名高速道路

東名高速道路は箱根の山々を迂回する形で道路が開通しています。御殿場~裾野IC間の通行量は約65,000台。関東地方で数センチ雪が積もっただけで通行止めの措置が取られるところから、箱根山脈のすぐ横を通過する東名高速道路は通行止めとなる可能性が高いと考えられます。

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小田原厚木道路

小田原と厚木方面を縦断する有料道路です。この小田原厚木道路も箱根大涌谷に近く、噴火の際は閉鎖される可能性が高いです。小田原厚木道路は箱根に行く際の近道としてよく使用されることからも、いかに箱根と距離が近いかがよくわかります。

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[trafficsignal.jpから引用]

国道1号線

東京と大阪を結ぶ、東名高速道路の次に重要な日本の大動脈です。まさに箱根を縦断する形で道路が敷設されています。東名高速道路が開通した現在でも、多くの自動車が国道1号線を使用しています。また、高速道路を通行できない大型特殊車両(ラフタークレーン、大型作業車両)は夜中にゆっくりと国道1号線を通行し、日本の東西へ移動していますので東名1号線が通行止めになった折には、箱根噴火による災害復旧作業や防災に係る緊急の工事が実施できないことを意味します。

国道1号線は箱根峠を有し、箱根大涌谷に接続させている幹線道路です。

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[blogs.c.yimg.jp]から引用

飛行機への影響

日本の大動脈である東名高速道路が通行止めとなり、下道である国道1号線が通行止めとなったとしても、空の移動手段である「飛行機」で移動することができれば、とりあえず噴火の影響は避けられそうです。では、火山が噴火した場合、飛行機は通常の運行が出来るのでしょうか?

実は飛行機は自動車よりシビアな影響を受けることが知られています。飛行機に使用されているガスタービンエンジンは、強力に空気を吸い込み、高温で熱した力を動力としています。そのためガラス質を多く含む火山灰を吸い込んだ場合、エンジン内部に火山灰のガラス繊維が焼き付き、エンジンが停止する可能性があります。火山が噴火した場合、火山灰は空気中の広範囲にばれ撒かれるため、飛行機は大きく飛行区域が制限されることになります。噴火直後で火山灰の流れが推測できない場合、最悪の場合は静岡空港のみならず、羽田や成田空港等の首都圏を離発着する航空機すべてが飛行停止となる可能性もあるかもしれませ。更に、在日米軍が運用を行っている厚木基地や座間基地の飛行場も箱根から距離が近く、同様に運用が著しく制限されるかもしれません。すなわち、噴火で逃げ遅れた人や災害復旧にも甚大な影響を与える可能性をはらんでいるということです。

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実際に過去には噴火により飛行機のエンジンが停止する事態が発生しました。1982年6月にはインドネシア・ジャワ島上空を飛行していたブリティッシュ・エアウェイズ9便が火山灰の影響を受け、飛行中に一時的に全エンジンが停止する事故が発生しています。幸いにも当時はエンジンが再起動し、事なきを得ました。そして更に2010年には日本と同様に火山大国であるアイスランドのエイヤフィヤトラヨークトル火山が噴火し、ヨーロッパ全域の航空機の経路に多大な影響を与えました。

船舶への影響

船舶への影響は今のところ未知数です。しかし陸上交通がストップし、航空機の離発が出来ない状態となれば、人も物も船舶による輸送に頼るほかなくなります。そうなれば船舶の需要は一挙に高まり、海上交通は大混乱するかもしれません。混乱程度で収まるか、それともやはり火山灰の降り注ぐ海域の通行は制限されるのか不明です。船舶もタービンエンジンで稼働しているため、何らかの制限がされる可能性が高いかもしれません。

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