笑ゥせぇるすまんが想像外に面白い

笑ゥせぇるすまんが想像以上に面白い

藤子不二雄先生のマンガをアニメ化したテレビ版「笑ゥせぇるすまん」が予想以上に面白い。

1980年代後~90年代前半のバブル時代に作成されたギャグアニメです。世にも奇妙な物語にも通じるブラックユーモアやその時代を存分に現した作品に仕上がっています。例えば、「伝言ダイアル」や急速に発達した通勤電車など、サラリーマンの視点を中心としたなるほど!と思わせる作品ばかりです。アニメに描かれる夜の東京はキラビヤカに映り、田舎は日本の風情たっぷりに描かれています。

しかし人々の心はすき間風が吹き荒れ、助けを必要としている人ばかりです。

せえするまんがおもしろ半分に、人々へ助けの手を指し延べます。ただし、いかにも一千をこえてしまいそうな条件付きで。案の定、人々はモグロとの約束を呆気なく破り、なにもかも失ってしまいます。

例えば、「レンタル彼女」ではモグロが持てない男をかわいそうに思い、彼女(恋人)をレンタルします。その条件とは「あくまでもレンタル彼女なので、よりそう関係以上のこのはしない」というものです。しかしながら、男に色気はつきものです。最初は一緒に歩くだけで満足していた男も、次第に色心を見せつけます。そうなるとあとは時間の問題で、最後には約束を破ってしまいます。モグロが男へ「約束を破ったこと」を通告し、彼女とは永遠に離れされてしまいます。

このラストに訪れる「永遠の別れ」はまだマシな方で、おおむね以下のバットエンドが存在します。

  1. 好きな人 or モノと永遠に離れ離れになる。
  2. 元の世界とは別の世界に飛ばされ、地獄を味わう。
  3. 箱の中や壁の中から二度と出られなくなる。

まれにハッピーエンドとして、「別の世界」へ飛ばれたことでターゲットものと世界での暮らしより幸せに感じることで、結果バットエンドがハッピーエンドのような終わり方になることもあります。このアニメシリーズの大きな特徴ともいうことができるポイントです。

時間に追われ仕事に追われるサラリーマンにとって、たとえ寂しくたってもあれこれ追われない別世界の方が暮らしやすい様です。ここで、作品の中からベストセレクションをご紹介したいと思います。(動画はDailymotionなどでお探しください。)


※動画消されては現れ、また消されるためリンク先は一定ではありません。リンクを張れない所が不親切ですがご了承ください。

オススメ動画、ベスト10

  • 「乗車拒否」

→売上の稼げないタクシードライバーへ、車に付けるだけで長距離乗車客をゲットできるアイテムをモグロからもらい、順調に乗客をゲット、そして売上を伸ばすタクシードライバーへの成長を遂げる。乗車拒否をしないことで効果が継続する条件。しかし、体調の悪そうな主婦を乗拒否し、信号の先で待つゴルフバックを持つ紳士を載せてしまったため、効果切れとなりました。自分のタクシーも行方がわからなくなるおまけ付きです。

  • 「安心カプセル」

→自宅に安心できるスペースを見つけられず、主人公は車の中で寝起きをすることになった。しかし車も年代物であったため、故障で廃車とすることに。モグロが男に新たに安心して暮らせる場所を探しはじめる。カプセルホテル、個室ホテルなど、どこも完全に下界と隔離されたわけではなく、結果として男の居場所はなかった。そして最後にモグロは究極の安眠スペースとして、培養液が入ったカプセルを男へ提供する。この培養液カプセルの中では時がゆっくりと流れ、究極の安心を得ることができるのだ。男が目を覚まし、たまには下界に出てみようかなと思ってカプセルの扉を開けると。とうの昔に文明は途絶え、地球は荒廃してしまった。なんと時が数百年~数専千年経過してしまったことに築く男であった。

  • 「何もしない課」

→とある商社に勤める課長クラスのサラリーマン。営業一筋で会社に貢献するも、人事には逆らえず定年まで余生を過ごす「夢任課」へ異動を命じられる。その課は会社の地下深くに存在し、その存在は知る人ぞ知るところ、一日中マージャンをしたり、飲んだくれていたりととてもまともな課ではないことを主人公は痛感する。すっかりやる気を無くし、途方にくれる主人公を前に、モグロは夢任課を居心地のよい所へ変えるべく、女性ボランティアを派遣する。ボランティアはとても優しく、みんなの仕事を手伝うようになっていく。課の雰囲気はすっかり良くなり、ずっとこの課でも良いとまで考える主人公。しかしボランティ=マドンナとなってしまった一人の女性を求めて、課がぎくしゃくし始める。当初の約束であった「ボランティアを自分だけの存在にしない」という約束を破ってしまう。そして主人公は女性が去ったあとの暗いさみしい、夢任課で生涯働くこととなる。

  • 「下り電車への招待」

→あくせく働く男は毎日満員の通勤電車に乗り、窓を眺めるのが好きであった。田舎から都会へとうつろいゆく景色を眺めながら、下り電車に乗り込めばゆっくり過ごせると感じていた。そして心のどこかでこの忙しい社会から抜け出したいと考えていた。ある日の満員電車の中、モグロに想いを見透かされ、向かいホームの下り電車に押し込まれてしまった。電車はひた走り、どんどん田舎へ進んでいく。目が覚めた時、とある花が咲きほこる田舎駅に到着する。男は駅を下りると、昔懐かしい香りのする定食屋に入った。定食屋の女将にみょうに親近感を覚え、定食屋を手伝うことを条件にその町にしばらく滞在することとなった。何日もたったとき、モグロが現れ、現実世界に戻るように説得する。だか男は心の中で定食屋の女将に恋していることに気づく。それと同時にこの町で生涯生きることを心に決める。

だが、あるときこわもてのお兄さんが男の前に突然現れ、女将と離れるように強く訴え、力で排除してしまった。男はしょんぼりと元の町へ帰る決心をする。真実は恋に落ちることを恐れた女将が常連さんにお願いして追い払ってしまったのであった。女将は若くなくもう恋をする歳ではないこと、男も若く、まだやり直して欲しいという気持ちからの行為であった。

  • 「後部座席の男」

→男は高級黒塗り車のドライバー。社長のお抱え運転手である。いつかは自分も高級車の後部座席に座れるような身分になりたいと思っている。社長は株で財テクに励み、財産を築いていた。モグロは男に社長が車の中で売り買いを指示する銘柄をこっそり教える様に誘惑する。男は金に目がくらみ、しだいに盗み聞きした情報をモグロを漏洩し、報酬を得るようになった。あるとき、男は新薬開発した製薬会社の株価が上昇するとの情報を盗み聞きした。モグロと絶対に直接売り買いをしないという約束を破って、会社から不正に持ち出した札束を元に、モグロを出し抜いて証券会社で株の売り買いを行ってしまう。買った直後、新薬開発がガセ情報であるとわかり、株価は下落し会社は倒産へと向かう。男は詐欺財で逮捕され、パトカーの後部座席に載せられ連行される。男の後部座席に座れる身分になりたいという夢は叶ったのである。

ほとんどハッピーエンドが存在しないアニメもまた珍しいですが、考え方によっては結果的に主人公の希望通りになることも多く、幸せの追求はひとそれぞれという現代社会の特徴をうまく表現したアニメとなっています。

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